お知らせ

山岸遼士 えとことば 006

2021.10.05

想いの場所

181.8×227.3cm 麻紙に岩絵具 2005

想いの場所

 

その壁は坂の上にあって

数えきれないほどの時間と想いを

ボールと一緒にぶつけていた


ころがり落ちていく球を

何度も何度も追いかけては..

 

坂の下には

幼なじみの家があって

きのうはずいぶん長い間ぶつけていたね

なんて言われるとなぜかうれしくて

よけいに音をひびかせた

小さな自分の世界から

坂の下のあたたかな存在へ


かさねた想いの時間が

わたしをここに連れてきた


そしていまも

その壁の前にいる


想いと時間をかさねては

どこかへつながる

その場所で

かすかな音をひびかせて